1. <12月24日>(木)

    ○一昨日、22日に12月の月例経済報告が出ました。基調判断は4ヶ月連続で据え置きとなり、新政権が誕生してからずっと同じです。各論部分では設備投資が下方修正、住宅建設は上方修正となりました。で、ここが問題なのですが、設備投資は11月に上方修正したばかりなのです。1ヶ月で元に戻したということは、内閣府に読み違えがあったということになる。こんな失敗は今世紀では初めてのことです。

    ●設備投資

    11月:下げ止まりつつある。
    12月:下げ止まりつつあるものの、このところ弱い動きもみられる。(↓)

    ●住宅建設

    11月:緩やかに減少している。
    12月:おおむね横ばいとなっている。(↑)

    ○添付資料の「設備投資の動向」(P16~17)を見ると、機械受注も建築工事費予定額も底入れした感じである。こういうときは、半年後には設備投資が上向くというのがこれまでの経験則だった。ところがその後、日銀短観や法人企業統計を見てみたら、企業がとっても慎重になっている(設備過剰感が強い)ことに気づいたので、「あー、こりゃいかん」と修正することになった。つくづく今回の局面は、過去の法則が当てにならないのです。

    ○簡単に言ってしまうと、企業マインドがむちゃくちゃ悪くなっていて、「たとえ輸出が改善するのであっても、もう国内に工場を作るべきではないかもしれない」というムードになっている。国内市場には夢がない。むしろ、「地産地消」で中国に出て行ったほうがよいのではないか。製造業がこんな調子では、他の産業も推して知るべしということになる。

    ○ところが政府は、「製造業への派遣労働の原則禁止」にむけて動いている。ますます製造業の国内への投資意欲は削がれる理屈である。設備投資が増えない国で、雇用が増えるはずがない。この簡単な理屈が、今の政府は理解できていない。成長戦略がどうのこうのという以前の問題である。

    ○ちなみに「製造業の雇用が減っても、農業や介護で増やすからいい」というのは、とっても筋の悪いアイデアである。農業や介護ビジネスを振興するには、補助金なり社会保障費を増やさなければならない。しかもこれらは、他への波及効果が少ない産業である。あまりお得な作戦ではない。

    ○極論すれば、月例報告が設備投資の状況を読み違えた理由は、政府自身が「自分たちがいかに産業界に信用されていないか」に気づいていないからであろう。景気を二番底に誘導しているのはいったい誰なのか。せっかく輸出や住宅建設が上向いているのに、実に悩ましい状況であります。

    — かんべえの不規則発言
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